日本語練習帳

つらみのラプソディを歌います

離れていても 同じにはなれなくても

講義

「低温物理学」でfermi液体論の復習のようなことをやった.この内容自体は前回と今回の2回で完結.よく考えたら,自分はこの辺の勉強を一つの本を読み通す形でやったことがなかった.fermi面上の準粒子生成とか,Bogoliubov理論・Gross-Pitaevskii(GP)方程式のあたりは本当にその場その場で人の話を受け入れている感じ.駄目ですね,ちゃんとやらないと.

研究

数値計算を再開するために,いくつかのコーディングを見直すこと数日.いい加減,アウトプットの段階に入りたい.流石に研究室の引っ越しやら自分の引っ越しやらアルバイトやらで空白期間ができたとは言っても,そうは言っていられない段階に差し掛かってきた.具体的には

  • 夏の学校のポスター・スライド
  • 秋の学会(岩手)

は最低でも聴衆フレンドリーな仕上がりにしたい.

最近は(博士課程での研究予定も踏まえ)量子系に興味が傾きつつあるので,そこら辺の計算環境を整えたり,近似法の感覚を身につけるために論文を再現する時間も確保していきたい.

arXiv

今日は

の3つを適当に流し読みした.

1つ目はQGPに関するやつで,いわゆる$SU(3)$ゲージ理論の閉じ込め転移点$E$はDirac演算子の易動度端$E(g)$と見なすことが出来るよという主張1.私はQGPの閉じ込め転移も易動度端の物理的意味も分かっていないが,格子ゲージ理論を使うとこういうことが言えるというのは,何となくやってみたいなぁという印象を与える.そういや格子ゲージ理論の専門書でこんなのがありましたね.

2つ目はBose粒子系の注入散逸安定性を$\mathcal{PT}$-対称なHamiltonianで見ようというお話.$\mathcal{PT}$-対称なHamiltonianは,Hermiteなそれよりも広いクラスに属していて,なおかつ実固有値などの物理的に良い性質を担保するやつである.この辺の話はBenderらが度々Reviewで指摘している通りである.これを具体的な系に広げて出来る計算の一つがBose粒子系の注入散逸らしい.論文の主張は

  • $\mathcal{PT}$-対称なHamiltonianが注入散逸の安定性を保証するからと言って,$\mathcal{PT}$-非対称なそれが不安定性を導くわけではない
  • Hamiltonianの$\mathcal{PT}$-非対称性は,むしろ系を安定化させる役割を持ちうる.この時は条件は,流石に何でも良いというわけではなくて,定常的に散逸が注入を上回っている場合のみOKらしい.逆の場合は正のフィードバックでどんどん明後日の方向に持っていかれることが厳密に示される.

という2点に集約される.彼らはGP方程式の定常解で「注入≠散逸」を満たすものを構成し,これを示した.

3つ目は電気磁器効果のお話.電気磁気効果は,一口に言えば電場(磁場)の応答として磁化(電気分極)が見られる現象のことである.しかし,これを物理的にちゃんとした形で理解するのは簡単ではなくて,微視的にやろうとする研究は思ったより少ない.電子系では,「トロイダルモーメント」と呼ばれる励起が電気磁気効果の源となることが知られている.電子の軌道・スピン角運動量のいずれもトロイダルモーメントを持ちうるが,ここでは特にスピンに注目して,それを調べている.定式化には2次元のtight-binding模型を用いており,論文の主張する所によると彼らが初めてらしい.そういえば,数ヶ月前に研究室セミナーでDM相互作用入りのスピン系で電気磁気効果を示した人の話(追記: 出典)を聞いた覚えがある.

その他

今日は都営新宿線本八幡駅に忘れ物を取りに行ったりしたので,大変な時間を浪費した気分だ.

帰りは南流山経由だったが,駅の本屋さんが何か見覚えある気がすると思ったら,いつだったか西船橋IKEAに遊びに行った時の記憶だった.


  1. 易動度端…エネルギー演算子などのスペクトルを局在・非局在に分類する点(固有値).系のHamiltonianのパラメータによって変わる.